好きになんか、なってやらない
 
「玲奈……
 アンタってちゃんと女の子だったんだねっ」

「は?」


なのに、玲奈は私の答えを聞いて、なぜかパッと表情を明るくさせて手を取った。

女の子だったんだって、今の今まで人をなんだと思ってきたんだ……。


「まさか玲奈の口から、そんな乙女みたいな言葉を聞くなんてなー……。
 もう凌太さまさまだよ!」

「……やめて。なんかムカつく」


ここまで言われると、なんだかちょっとカチンとしてしまう。
しかもなぜ、凌太を讃える……。


「バカだなー、玲奈は。
 そんなこと、凌太さんが気にするわけないじゃん。

 誰かと比べた体とか、顔とか……
 そういうので選んでるんだったら、凌太さんは今もまだ、玲奈をからかいの対象でしか見ていなかったんじゃない?」

「……そう、かな…」

「それに玲奈は十分綺麗な体してるから!胸も大きいし。
 脱いだ姿はさすがに知らないけどさ、パンツスタイルをそこまで綺麗に着こなせるんだから、絶対にスタイルいいの分かってるって」

「……」


最後の自分への褒め言葉は置いといて……。

確かに、真央の言うこと一理あるのかも。


昔の凌太なら、顔やスタイルで女の人を選んでそうだけど
もし今もそうなら、私なんかを選んでいるわけない。

気にしすぎ…なのかな。
 
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