好きになんか、なってやらない
「玲奈って意外と乙女だもんなー」
泣いてしまった私を、凌太は見ないふりをするわけもなく、おちょくるように頭を撫でてくる。
悔しい。
絶対に泣いてなんかやらないって思ってたのに……。
だけど感情なんて、どんなに頭で言い聞かせてもコントロールできない。
悔しいのに胸がいっぱいになって
どんどんと凌太への想いがあふれ出てくる。
「それ、首輪だから。
俺から離れないようにするための」
「重いね」
「鎖もつなげとく?」
「やめて」
冗談で言っていても、冗談に聞こえない。
凌太は本気でやりかねない。
それに……
「……どこにも行くつもりないし」
鎖なんか必要ない。
私は自らの意思で、凌太の傍にいるんだ。