好きになんか、なってやらない
誕生日に体を授けるとか
そんな少女漫画みたいに流されたくなんかなかったのに……
「ゃっ……」
「大丈夫。怖くないから」
私の体は流されるがまま……。
「……お願い。電気は消して」
「……」
気づけば抵抗という考えは完全になくなってしまって
少しでも恥ずかしさがなくなることだけを考える。
暗くなった部屋。
窓から差し込む月明かりだけが光。
「私……ほんとたいした体してないから……」
「どこが……。すげぇ綺麗じゃん」
全ての衣服が脱ぎ捨てられたとき、
恥ずかしさで沸騰してしまいそうなのに、それでも強気な発言をしてしまう。
そんな私に、凌太は優しく微笑んでフォローをしてくれる。
「ぁっ……っ…」
「声抑えないで。ちゃんと聞かせて」
「や、だっ……」
人に体を見せるとか、
この先もう一生ないと思ってた。
だけど今、私が最も苦手とする部類の男に全部をさらけ出していて……
「ぃたっ……」
「力抜いて。ゆっくりするから」
「っ……」
26歳になった今日、私はセカンドバージンともいえるこの体を捨てた。