好きになんか、なってやらない
21章 バイバイ
「……」
次に目を覚ました時には
部屋の中は完全に明るくなっていた。
あれからなかなか寝付けなかった夜。
すぐに隣に凌太が布団に入ってくる気配を感じたけど、寝たふりをし続け、彼が頭を撫でる行為にも身じろぎひとつしなかった。
ようやく寝つけたのは、部屋が薄明るくなってきたときで、シャワーも浴び損ねた。
起き上がった体。
静かすぎる部屋。
隣には、また凌太の姿はない。
コンビニでも行ったのだろうか……。
休みの日、先に起きた凌太がコンビニに行っていないのはよくあること。
今回もその類だと思い、とくに気にすることなく、一人シャワーへと向かった。
ベタベタな体。
汗もいっぱいかいたらしい。
前日分の汚れと
ひどく寝汗をかいた体をシャワーで洗い流し
うじうじしている自分に喝を入れた。
こんなの私らしくない。
凌太がコンビニから帰ってきたら、正面から聞いてやろう。
ピアスの存在を……。