好きになんか、なってやらない
突然の私の告白に、美空さんは目を見開いていた。
本人にすら、なかなかしない告白。
それを今、彼の元カノ……いや、今も好きかもしれない相手に向かって伝えている。
「凌太は、今もあなたを好きかもしれない。
だけど美空さんも言ったように、そんなの関係ないです。
私が凌太を好きだから……。
だから凌太が美空さんを選ぶと言うんだったら、もう一度凌太が私を好きになってもらえるよう全力で戦ってみせる。
今日はそのことを伝えに来たんです」
あの時伝えられなかった、全力の言葉。
戦いを挑まれても、何も応えられなかった。
だけど今なら、どんな戦いも受けてたってみせる。
「……ピアス、そろってよかったですね」
ふと気づいた、美空さんの両耳についたピアス。
昨日までは片方しかなくて、
そのもう片方は凌太の部屋にあった。
それが今、彼女の耳に両方ついているということは
やっぱり間違いなく、凌太が美空さんに渡したということで……
「でも、絶対に負けません」
凌太に完全に拒まれるまで
引き下がったりなんかしない。