好きになんか、なってやらない
稀に見るそんな女の態度に、
俺のプライドに火が付いた。
興味がないのなら、興味があるようにしてやる。
それから事あるごとに玲奈へと話しかけた。
そのたびに嫌な顔を見せる女。
露骨に見せるその歪んだ表情も
だんだんあからさまになっていく憎まれ口も
カチンと来て、絶対にこいつを俺に落としてやる、とムキになっていく。
中途半端な状態では、絶対にコイツは落ちない。
なら、全社員味方につけて、俺はこいつに惚れこんでるんだと思わせよう。
そう思って、あからさまに玲奈へとアタック開始。
遊びで付き合っていた女ともとりあえず全部切った。
今の俺は、誰がどう見ても
玲奈一筋の男。
こんだけのモテ男が、
一途に自分を想ってくれれば落ちない女はいない。
そう確信していたのに
《自惚れないでください》
《気軽に名前で呼ばないで》
この女、全然おちねぇ……。
正直、すげぇムカついたし
さっさと落として、こっぴどく振ってやりたい。
そう思っていたのに……
《少しだけ……
信じて、ますよ……》
玲奈にそう言われて
胸がすげぇ痛んだんだ……。