好きになんか、なってやらない
痛みとともに感じたのは
心から感じた
「可愛い」「愛しさ」。
昔から女の子は好きだ。
可愛いし、やわらかいし、いい匂いするし。
だけどそんな軽いものなんかじゃなくて
もっと心の奥底から湧いてきた感情。
抱きしめずにはいられなくなるほど
胸をわしづかみにされていた。
何やってんだ、俺……。
俺の目的は、この生意気な女を落として、適当に振ることだろ?
俺が振り回されてどうする。
とりあえず、少しだけ気晴らしをしようと
裕樹の誘いに乗って、行こうとした合コン。
だけどまさか、裕樹と話していた内容を
玲奈に聞かれているなんて思いもしなかった。
本当の目的を知られた。
幻滅と
軽蔑が混じった瞳。
もう終わりだ。
この先、たとえどんなに甘い言葉を吐こうとも、玲奈は絶対に俺には落ちない。
一度騙されていたと知ってしまえば
玲奈は何を言っても、俺の言葉なんか信じないだろう……。
ゲームはおしまい。
俺の負け。
さっさと新しいゲームを始めないと……。