Le Petit Princesse

二人の過去

「それで、バラのフローラについての話なんだけど…」


「うん?」


「そのバラのフローラはプライドも気も強くて、喧嘩になっちゃったんだ。」


そう言ってエリックは俯きながら続きを話した。


「それで僕が旅に出ていろんな星を回ってたんだ。」


「それで今地球にいるってこと?」


「いや。この話には続きがあってね…
僕はそれで反省して自分の星に帰って来たんだけど、今度はバラのフローラがいなくなっちゃったんだ。」


「世話を放ったらかしにして枯れちゃったからじゃなくて?」


「そんな事は絶対ないよ!ドーム型のガラスを被せてたんだけど、ガラスごとなくなってたんだ。バラの根っこの跡もなくなってた!
でも何となく地球にいる気がしたんだ!」


「それで地球に来たのね…」


「うん!それでお願いなんだけど…」


「うん?」


「僕と一緒にバラを探すの、手伝ってくれない?」


「…役に立つか分かんないよ」


「でも誰か居てくれるだけで心強いから…」


「私もこれからどこに行ったらいいか分かんないし…分かった!」


「よろしくね!」




そうして二人はまた旅を始めた。
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