Le Petit Princesse
「…ねぇ!エリック!」


「うわっ!どうしたのっ⁈」


「…何でもないっ」


「フローラ、どうしたの?何かさっきから変だよ?」


「別にっ!」





フローラはさっきからずっとこの調子である。





フローラが一番気になっている事は、昨日のキスの事だった。







ーーエリックはいつもと変わらないし、何か私ばっかり意識してるみたいで恥ずかしいじゃない!






すると隣から笑い声が聞こえた。





「…何がおかしいのよ?」


「…何かそういう所、似てるなぁって。」


「…似てる?」


「僕の星にいたバラに。たまに思い出したように名前呼ぶんだけど、結局用事がなかったり。それに振り回されてた僕も子供だったのかなぁって最近思うんだ。」


そう言うと、エリックは懐かしそうな目をして笑った。


「ねぇエリック、もしバラだった人が人間になって現れたら…やっぱり嬉しいの?」


「それはそうだよ。だって僕、そのために地球に来たんだし。」


「そりゃそうだよね…。」







ーー何か昨日の事とかちょっとでも期待した私がバカみたい。エリックには好きな人がいる…。






フローラはそう考えるだけで胸が痛くなり、やっぱり芝生に突っ伏した。
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