Le Petit Princesse
陽が傾き、森の中は少し暗くなりかけていた。そのせいか、人気は全くなかった。







「君はここにいない方がいい!」


「じゃあ僕はどこにいればいいのっ⁈」






小さな金髪の男の子は泣きながら叫んでいた。




「フランクが行くなら私も行くわ!」





茶髪の髪の長い少女はそう言って泣いていた。




「しかし、そうはなりません…。フローラ様がいなくなっては騒ぎが大きくなります!」

「いいから連れて行って!」

少女はそう言って聞かなかった。







「…では、絶対に人に見つからない所が良さそうですね。今までの記憶を消しますが覚悟はありますか?」


「僕は平気!」


「ではフランク様からですね。安心してください、フローラ様も行けますから。」



ーーフローラ様…?





そう言って一人の大人が、金髪の男の子に魔法をかけた。



「行かないで…!」






幼いフローラはそう言って涙を流していた。
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