Le Petit Princesse
隣の部屋、つまりフローラの部屋のドアを開ける音がした。

間違いなくアマンダである。いないと分かったのか、足音はエリックの部屋の前に止まった。


ーーアマンダ、入って来ないで…!


だがフローラの願いも虚しく、エリックのドアを開けた。


「フローラ様!朝食の時間でございます!」


アマンダは満面の笑み。

もちろんフローラの手はエリックが握ったままだった。





「フローラ様が元気になって何よりです!さぁフローラ様、朝食前にお召替えを!」




そうしてフローラは部屋に戻り、着替えをして髪をセットされていた。


「フローラ様、エリック様の好みのドレスが分かったのですね!」


「え?」






フローラの手には、淡い水色のドレス。
デザインは前の物とは違っているようだった。



アマンダはいつものように髪をセットしてリボンを付けた。




「フローラ様、お幸せに!」


目の前のアマンダの目はキラキラしていた。


ーー絶対何か勘違いしてる…。


だが弁解する気力もなく、フローラは朝食に向かった。
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