Le Petit Princesse
「フローラ様!いや、フローラ!やっと決めてくださいましたか!」


入って来たのはブライアン王子だった。


「堅苦しいのは抜きにしよう!これからは気を使わなくていいんだ!」



そう言ってブライアン王子は泣き崩れていたフローラを抱き起こし、腰に手を回した。


「イケメン王子!フローラに触るな!」


「ははは!残念だったね、今は亡きアングリア王国の王子様!」


「…今は亡き、アングリア王国…?」



エリックははっとしたように動きを止めていた。







ーーエリックのいた国なのね…。





「…そういう事だったの?」


フローラはそう言ったのとエリックが動き出したのは、ほぼ同時だった。



「おい、どこへ行く!」

「エリック⁈」





気がつくと、エリックは部屋を飛び出していた。
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