Le Petit Princesse
騒ぎが落ち着き、みんなが寝静まると、フローラは眠れずにベランダに出た。





ーー私のやった事は間違ってないわ…




そう思いながらも吹っ切れないフローラだった。





フローラは歌い出すと、いつの間にか涙が出ていた。





それでも泣きながら歌っていると、空が明るくなっていた。






ーー夜明けにしては早すぎるけど…どうして?


フローラは不思議に思って時計を見ると、時計はありえない速度で進んでいた。


ーーこの時計、狂ってるの⁈




フローラは気になって城にある他の時計も確認したが、どの時計もその速度で回っていた。







フローラが部屋に戻ると、すっかり陽は登っていた。

時計もいつも通りの速度で動いている。






ーーどうして…?


気になっていると、アマンダのノックする音が聞こえた。


「フローラ様、朝食のお時間です。」


「もうそんな時間なの⁈」


「起きてらっしゃったのですね?」


「え、まぁ…」


「何と言っても、今日はフローラ様の結婚式ですから!」


「えっ⁈」


「昨夜結婚が決まってから、ブライアン王子は今日式を挙げたいとの事で…」


「いくら何でも早すぎるよ…」


「フローラ様はいいんですか?」


「仕方ない事なの。エリックのいたアングリア王国のためだわ。」

そう言ってフローラは俯いた。





「…できましたよ。朝食が済みましたらドレスなどの準備をしますので…。」


「今日もありがとう、アマンダ…」





アマンダはいつもよりも悲しげな笑顔で送り出した。
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