Le Petit Princesse
フローラは朝食を終えると、真っ直ぐ部屋に戻っていた。







「…フローラ様、ドレスは何になさいますか?」


「…何でもいいわ。」


「…言うと思いました…」




二人は黙り込んでしまった。




だが、その沈黙を破るように入ってきたのは、ブライアン王子だった。

「フローラ!もう着替えたか?」


「まだドレス選びの途中です。」




アマンダはそっけなく言ったが、ブライアンは部屋に入ってきて赤いドレスを手に取った。








「僕はこれがいいと思うが。」


「じゃあアマンダ、このドレスをお願い…」


それを見たブライアンは満足そうに部屋を出て行った。








"ねぇフローラ、僕は今日のドレスの方が好き"

"フローラは赤より水色とかの方が似合うよ"


ふとエリックの言葉が頭を過ぎった。
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