Le Petit Princesse
「エリック…いや、フランク・ディュマ!お前は卑怯だ!」




エリックは表情一つ変えず、そこに立っていた。






「卑怯なのはどっちだ?君はフローラの気持ちを考えたの?」


「…エリック!どうして…?」




「フローラの気持ちは考えるも何も…」

「このドレスの色を見れば分かるはずですわよね?ブライアン王子!」





口を挟んだのはアマンダだった。






「…なっ!侍女のくせに生意気な…」

「この際生意気言わせてもらいますが、フローラ様がどんな気持ちでこの結婚を決意なさったか、私は知っています。
フローラ様がブライアン様を本当に愛しているならば、赤いドレスを選んだのではないでしょうか?」


「…アマンダまで…!」





「…フローラ、それでお前はどうしたいんだ?」


ルドルフはフローラに穏やかに尋ねた。





「でも私は…アングリア王国を元通りにしなきゃいけないのよ…?」




フローラが苦しげにそう言うと、隣のブライアンの口元が緩んだ。








「フローラがどっちを選んでもアングリア王国が元に戻る、と言ったら?」


「何っ⁈」


ルドルフがそう言うと、ブライアンは驚いて声を出した。
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