Le Petit Princesse
「…うーん。それって自分の好きなように名前を付けていいって事じゃないかな？」



エリックは少し嬉しそうに言った。


すごくポジティブな人である。




「でもどんな名前にすればいいんだろう…？」


「うーん…じゃあフローラ！」


「フローラ？」


「前に僕の星にいたバラはフローラって名前だったんだ！」


「僕の星って…？」



「地球に来る前は小惑星に住んでたんだ。」


違う星にいたとは、リアリティーのない話だとフローラは思った。


「気が付いたらバラの種が飛んで来たのか、芽が出て花が咲いたんだ。
そのバラはお喋りでね、名前まで名乗り出したんだ。それがフローラって名前だったんだ！」


エリックはすこし楽しそうに笑った。



「”フローラ”かぁ…。」


「フローラって言う名前、しっくりくる気がするけど…」


「分かったわ。私の名前はフローラ！いつか本当の名前を思い出すまで、フローラね！」





そう言ってフローラは笑顔で手を差し出した。





「気に入ってくれたんだ！よろしくね、フローラ！」






そう言って二人は改めて自己紹介をし、握手を交わした。
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