忘れられた蛍


「そーなのー」

私は可愛らしさに顔を緩ませた

同じ名前か
つきかと言う名前の子は珍しいけど同じ中学校にいたからいるっちゃいるんだろうしね

ん?

私はノースリーブの黄色のワンピースから伸びた細いてに、なにか紙が握られているのに気づいた

「これなに?」

私が指でさすと、つきかは首をかしげながた
かわいらしい動作だこと…。

「わからないよ。つきちゃんはまだ字が読めないし、これはおねぇちゃんに渡さなきゃいけない気がするの」

大きな目がぱちぱちと私を見つめる
私には何をいっているのかあまりわからないが


「じゃあ、見してみて」
どうしようか。親がうちにこの子を置いていってて
「この子をよろしくお願いします」
的な手紙だったら

有り得ないことを考えながら紙を開くと

「その子は四歳児の頃の君だよーん
一ヶ月間だけ面倒を見てねーん
神様☆」

自分の考えているものより遥かに有り得ない内容の手紙だった

どう見ても女子高生の授業中に書いた手紙である

丸文字だし

誰のいたずらだよ。
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