SEL FISH
驚いて固まったのはあたしだけじゃなくて、アキも信じられないという顔をしている。失礼ですけど。
学年女子の殆どに避けられているあたしに二年のクラスで話しかける人間は殆どいなかった。
況してや、カラオケなんて。
「行かない。カラオケやだ」
藤沢さんの後ろに控えている女子たちの顔が固まった。
「そっかあ、じゃあまたね」
ひらひらと手を振ってくるので、あたしも手を振り返した。明らかに女子たちがホッとしているのが見える。
さっきまでそこに居たアキが消えていて、教室の真ん中らへんで男子と話していた。堂本さんだって、きっと女子の友達が出来ているのだろうと思う。