SEL FISH
むかしはものを
「アキ、ヤンデレって何!?」
ベッドの上で個包装のクッキーを広げたあたしを、扉を開けたアキが見る。
「ヤンキーデレデレの略?」
「うん、そんな感じ」
ディスプレイの向こうにいる彼はヤンキーというより黒髪で大人しい感じがする。
「ヤンキーかあ……」
「ヤンキーはタイプじゃないんだ」
「ううん? あたしを好きならその人がタイプ!」
そうですか、と笑った。
ゴミを拾ってゴミ箱へ捨てる。アキがベッドの縁に座った。
あたしも起き上がってアキの近くに座り直した。