SEL FISH
ベッドの上で膝を抱く。スカートの中にジャージは着ていないけれど、アキは三次元に興味はないので大丈夫ということにしておく。
「そしたら急にハムスター用のゲージとか中に入れる小物とかを買ってきて、心変わりしたのかなって嬉しくなったんだけど、肝心のハムスターが居なかった」
「後日一緒に行った?」
「そう思うじゃん? でも、うちのママは平然と『この中にハムスターがいるって想像しなさい』って言った」
「は?」
子供ながらに、あたしだって「は?」と思った。でもそこで、改めてママが飼ってくれる気は無いんだと知った。