SEL FISH

そうそう、津山くんと野立さん。

聞き慣れない苗字を口にする。祈璃は聞いた割に興味のない顔をした。

「部活やってる人って社畜になりそう」

「それはすごい祈璃の独断と偏見を含めた考えじゃないの」

「確かに。ごめんなさい部活やってる方々」

思いの外素直に謝る。

そろり、と堂本さんが静かに小さく手を上げた。何だ何だ、と二人の視線がそこに集まる。

「……ま、まさか堂本さんここにきて部活やってます設定なんて……!」

「やってた、バスケ部」

過去形の言葉が、先ほどの光景と結びつく。
クラスメートというよりもそちらの繋がりの方が強いのか。



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