SEL FISH
哀愁漂う背中をこちらに向けて委員会の集まりに向かう姿を思い出す。
「そういえば、そういう人だった」
「堂本さんもゲームに興味でた? 乙女ゲーム貸したげるよ、本体はアキのだけど」
「え、いのりちゃんもゲームするの?」
「するけど、向いてないっぽい」
難しいことに、ゲーセンのUFOキャッチャーとは何か違う。
ふうん、と興味なさげに言った堂本さんは、クラスメートに呼ばれて教室へ戻って行ってしまった。あたしも教室へ帰ると、机が後ろに下げられている。
「あ、祈璃ちゃん。出れる時間、ここに書いておいて」
女子の字が書き込まれた紙を藤沢さんから渡される。