SEL FISH
孟浩然の詩。中学のときに初めて知った。
美しい。
尊い言葉だと思う。
「なんか、眠いかも」
実は午前中に堂本さんの家に訪問して誘おうとしたら、昼ごはんを食べさせてもらってしまった。すーちゃんママは負けず劣らず料理上手だ。
シートに寝転がると、アキに鼻を抓まれる。
「アネゴ戻ってきた」
「ええ、ほんとだ」
脚を振って状態を起こす。
しかも腕に黒い生き物を抱えて。
得意げにそれを掲げる堂本さん。顔が半分ニヤケている。
「見て見て、ちょう可愛い」
「アネゴ傷だらけ。ヤンチャなガキか」
アキのツッコミも聞こえていない。