SEL FISH

ここで待っていても仕方ないので、文化祭実行委員会が使っている教室へ向かった。

電気が点いていたから扉を開けてみる。

「失礼しまーす、アキいますかー?」

いのりちゃんがひょこ、と中を覗いた。

「点検行っちゃっていないですね」

「どこら辺回ってますか?」

「三年生は向こうの校舎と、こっちの一階回ってますね」

紙を見ながら一年生が答える。
一階……といのりちゃんが呟く。

「ありがとうございます」

私は扉を閉めて、廊下に出た。

「じゃあ向こうの校舎から……」

回っていくしかない。



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