SEL FISH
内装は明るく賑やかなのに、二人で残る教室は静かだった。
お客様が座って食べたり休んだり出来るテーブルと椅子。その椅子に座って、アキはテーブルに突っ伏した。
あたしもその前の椅子に座って、動かない黒髪を撫でる。
ぴくり、と動いて止まった。
「今日の午後、堂本さんのこと冷やかしに行ける?」
「行ける」
「本当?」
「うん、だから、もうちょっとだけそうしてて」
うん、とあたしも返す。
オープニングが終わったら、アキは委員会に行ってしまうから午後まで会うことはない。午前中、どうしようかなあと考えながら頭を撫でた。
end.
20150813