SEL FISH
悪魔の囁き


文化祭一日目午後。

靴箱の近くの壁に寄りかかって待っている間、同じ高校の二年生と一年生の男子に話しかけられた。午前中よりわくわくしなくて、生返事をしていたら何処かへ行ってしまった。

「いいの?」

気付いたら、アキが隣に並んでいた。

「祈璃と気の合う男がいたかもしんないのに」

文化祭実行委員会、と書かれた腕章を外しながら、男子の去っていった方向を見ている。

「うん。おつかれ」

「ありがと。午前中何やってたの? アネゴと会ったら、クラスメートと回ってたけど」

「藤沢さんと回ってた」

歩き出す。目的地は堂本さんのクラス。



< 187 / 328 >

この作品をシェア

pagetop