SEL FISH
悪魔の囁き
文化祭一日目午後。
靴箱の近くの壁に寄りかかって待っている間、同じ高校の二年生と一年生の男子に話しかけられた。午前中よりわくわくしなくて、生返事をしていたら何処かへ行ってしまった。
「いいの?」
気付いたら、アキが隣に並んでいた。
「祈璃と気の合う男がいたかもしんないのに」
文化祭実行委員会、と書かれた腕章を外しながら、男子の去っていった方向を見ている。
「うん。おつかれ」
「ありがと。午前中何やってたの? アネゴと会ったら、クラスメートと回ってたけど」
「藤沢さんと回ってた」
歩き出す。目的地は堂本さんのクラス。