SEL FISH

最近アキの家に行っていないからすっかり忘れてしまっていた。

「夏休み入ったら、他の男子にも会いに行かなきゃ」

「三次元の男に興味なくなっても、俺の所為じゃないから……」

「うん?」

「あ、次」

順番が来て、教室に入る。「いらっしゃいませ」と呼びかけられて、小さな籠を渡された。アキと二人で一つに入れることにして、あたしはビッグカツとアキの好きな烏賊っぽいお菓子を放り込む。

「アネゴだ」

「はい、ちーず」

かなり嫌そうな顔の堂本さんが写真に納まった。

「本当に来るとは……」

「今度印刷してあげるね」



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