SEL FISH
正直じゃなくても馬鹿を見る 上
文化祭二日目、最終日。
午後。
クラスTシャツとエプロンを着て更衣室を出た。携帯を弄る堂本さんが外で待っていてくれたみたい。
「私もいのりちゃんのクラス行こーっと」
「お昼ご飯も食べたのによく食べるね、堂本さん。成長期?」
「運動部の男子みたいに言うのやめて欲しいんだけど!?」
「大丈夫、特盛りにしてあげるね!」
そんなことを言いながら教室に入る。入れ替えの時間は30分で、午前のシフトの人たちが昼食を取り終えたところだった。
藤沢さんがあたしの姿を見て呼ぶ。午後シフトは既に役割分担が決まっていた。