SEL FISH

ふ、と抜けた嘲笑。

「知ってる? うちの高校って県内一位の公立だから馬鹿な男共は嫌がるの。
でも、そーゆー奴に限ってお金持ってるし軽いから付き合えた。食事代もホテル代も出してくれる。受験生だって言ったら面倒くさいと思われるから二年だって答えた。アルバイトだって何個も掛け持ちして、同じ職場のチャラチャラした大学生より稼いだ。
好きなひとに告られても良い返事はできなかった、だってお金持ちじゃないから!!」

キーン、と響いた。

脳に反響する音に心臓が震える。
藤沢さんは言いながら泣いて、泣きながら悲しんでいた。



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