SEL FISH
振り向こうとした瞬間、肩がぶつかる。あたしより背の高い人で、見上げて謝る。
「ごめんなさい」
「…こちらこそ」
一瞬驚いた顔をされる。日本人なのであたしだってちゃんと謝る心を持っていますよ。
お弁当を二つ持ったアキはテキトーにお茶を取って、あたしの方を見ようとした。
不意に肩を掴まれて、びっくりする。
「あの、お詫びにそれ、払います」
「うん?」
さっきぶつかった人、視界に入った上履きの色から後輩だと分かった。