SEL FISH

学校の最寄り駅で降りて、ゲーセンに向かった。

廃れてはいるけれど、平日より小学生が沢山いて繁盛している。

居るかどうか分からないけれど、入ってみようとしたところに、姿を現した。

「祈璃ちゃん」

私服の藤沢さんがこちらを見ている。
怪訝な顔で。

「浴衣でゲーセン来たの?」

「ううん。ゲーセンっていうか、藤沢さんを誘いに」

「誘い?」

「アキの家の近くで夏祭りあるんだって。行く?」

ぽかん、と口を開ける。あまり迷っている時間もないんだけどね。

「いつもの三人?」

「ううん。今日堂本さんは予備校あるから来れないって」



< 250 / 328 >

この作品をシェア

pagetop