SEL FISH
もしや、と顔を上げるとアキがこっちを見ている。
「アキ、じゃがバタ嫌いなの?」
「いや、考え事してた」
「今やってるゲームの攻略?」
「今目の前にいる祈璃の攻略」
大きいじゃがいものブロックを摘んで、それをぼとりと皿の上に落とした。
藤沢さんに一服盛られたのかな? それともついに自分が二次元の世界へ入れたと思っている?
「ここは三次元だよアキ、目を覚まして」
「今、漫画みたいに祈璃の思ったこと読めた」
「食パン咥えた転校生とぶつかるなんて三次元じゃ有り得ないんだよ……」
「もう手遅れみたいな目、止めてもらえます?」