SEL FISH

高校生の男子ってこんなに食べるものなんだろうか。

身長も平均くらいだし筋肉も特別ついていないし、食べたものはどこに行っているんだろう。

「ごちそうさま。俺、祈璃のこと好きだよ」

ぱん、と手を併せたままアキがこちらを見た。
パックがすべて空。

「お粗末様。あたしもアキのこと好きだよ」

「祈璃は、祈璃を好きな人間を好きなんだろうけど」

ビニール袋の中に空のパックを入れていく。
じゃがバタの入っていた皿も入っていった。

その通り、あたしはあたしを好きな人は決して嫌わない。

「祈璃が俺を嫌いでも、俺は好きだから」



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