SEL FISH

あ、ごめん。と軽く謝って離れる。

「おのれ社畜元運動部め……」

「この嬉しさは言葉で表現出来なくて」

「言葉で間に合うし。どうして堂本さんが嬉しいの?」

肩を擦りながら聞く。堂本さんが答える前にアキが帰ってきた。

「アネゴ、予備校は?」

「今日は無いから二人と帰ろうと思って」

「じゃあファミレス寄ろ!」

反対意見は出なかったので、ファミレスへ行くことになった。

靴箱でローファーに履き替えて校門の方へ歩くと、その近くにバイクが見える。あたしは全くバイクのことは分からないけれど、よく家の近くの公道を煩いエンジン音を鳴らしながら走っていく大きなバイクの仲間だということは分かった。

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