SEL FISH
てゆーか、あたし、まだ返事してない。
堂本さんの呼び止める声を背中に受けながら、アキを追った。校門を出てすぐに曲がったので姿が見えなくなる。
同じように顔を出してみた。
「アキ」
そこには、金髪のひと。多分、バイクの持ち主だ。
あとは絶句した顔のアキ。
「あたし、良いなんて一言も言ってない」
「なに? アキのトモダチ? 超可愛いね」
アキの前に立ってあたしに視線を合わせるように屈む金髪頭。
「どうもありがとう」
「彼氏とかいる?」
「おい、名倉」
アキが金髪のひとの肩を掴む。名倉という名前のこの人は、アキのオトモダチらしい。