SEL FISH

テレビに視線を戻すと、既にセカンドステージまで終わらせていた。

「アキがそこまでやったらもうアキのデータじゃん」

「向いてないって自分で言ってたのに」

「じゃあアキがやってたのやりたい」

「それ、ギャルゲー」

えええ、と抗議の声をあげると、同時に玄関の鍵の開く音がした。

「ナッコちゃん帰ってきた!」

ベッドから飛び出て、コードを踏まないように扉を開いて外に出た。階段下にナッコちゃんの姿が見えて、手を振る。

「おかえりー」

その声にこちらを見上げて「ただいまー」と笑った。すごく美人さん。

アキのお姉様。


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