SEL FISH

「夕飯食べてくー?」

「食べてく!」

「アキ呼んどいでー」

はーい、と返事をして部屋に戻る。データをセーブしたアキが立ち上がっていた。

「ご飯だって」

「うん」

あたしはチョコレートたちを集めて、元の袋に戻す。ペットボトルは鞄の中に入れてベッドのシーツを伸ばした。

立ったままのアキがそれを見ていた。

「立つ鳥跡を濁さず」

「鳥じゃないけどありがとう」

「どういたしまして」

アキの後につくように階段を下りて、リビングに入る。既にキッチンから良い香りが漂っていて、椅子に座るアキを置いてそちらに近付いた。


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