SEL FISH
「去年隣の席で、仲良くなった」
気がしただけで、出来ないわけではない。
「にしてはタイプ違いすぎると思うんだけど」
「そーう? あたし、自分を好きになってくれるひとは無条件にみんな好きだからなあ」
「……付き合ってるの?」
「ううん、付き合ってないよ?」
「は?」
「ん?」
ただいま、と隣の椅子が引かれた。
だるそうに座るアキがいる。
ジュースの中身はまだ残ってる。賭けなくて良かった……。
「なんで? 堂本さん、アキのこと好きなの?」
「好きじゃないけど」
「…本人目の前にしてその受け答えをする女子社会の闇」