SEL FISH

まあそれは後で知ったんだけど。

「いいの、好きな映画は人それそれだし。それはいいのよ、どんな内容だろうと。でもあたしがこいつとはやってけないって思ったのは、」

「祈璃の意見どころか、良い案すら聞き入れなかったこと」

それです。それが大きいというか一番。
三日前はラブラブだった彼が"こいつ"となり下がった今、あたしにとってどうでも良くなってしまったけれど。

「相変わらずだね、祈璃のイノリズムっぷりは。あー安心安心」

「だってあたしのこと一番に考えてくれないひとのこと、一番に考える必要なんてないし」



< 4 / 328 >

この作品をシェア

pagetop