SEL FISH
まあそれは後で知ったんだけど。
「いいの、好きな映画は人それそれだし。それはいいのよ、どんな内容だろうと。でもあたしがこいつとはやってけないって思ったのは、」
「祈璃の意見どころか、良い案すら聞き入れなかったこと」
それです。それが大きいというか一番。
三日前はラブラブだった彼が"こいつ"となり下がった今、あたしにとってどうでも良くなってしまったけれど。
「相変わらずだね、祈璃のイノリズムっぷりは。あー安心安心」
「だってあたしのこと一番に考えてくれないひとのこと、一番に考える必要なんてないし」