SEL FISH
「アキおかえりー。……友達?」
「ただいま、クラスメート」
「お邪魔しまーす」
姉のナツが居て良かったと思った。両親が居ないのは仕方ないにしろ、誰もいない家に女子を連れ込むのは誤解を与えそうで嫌だ。
「アキのお家なんかオシャレ、部屋二階?」
「階段の突き当たり左」
ずんずん進んでいくのは祈璃の方だった。
部屋の中に入ってぐるりと見回す。俺は扉を開けっ放しのまま棚からゲーム本体を出してやる。
「ありがと、ちょっと貸してください」
「それ終わるまで使ってて良いよ」
「本当? 助かる!」
ぽんぽんと反射的に言葉を放つ祈璃。