SEL FISH
三芳くんといつもシフトが被っているわけではない。
被ってない日は何故かラブレターが入っていない。
ということは、被っている日に誰かが入れてるってこと?
「今すぐ辞めなよ」
アキは推理をするより先に、そんな言葉を放つ。
「祈璃、刺されてからじゃ遅い」
「刺されることしてないよ?」
「刺すか刺さないかは、刺す人が決めんだよ。祈璃が決めるんじゃない」
頬杖をついたアキは、呆れるより怒るようにこっちを見ていた。
「それ、彼氏に言った?」
「……言ってない」
「言って、バイトない日も迎えに来てもらえば? 帰りだけでも安全だし」