SEL FISH
あの血の気の多い彼女にやられたのかな?
「本当にすみませんでした」
九十度に曲げられた身体。
帰る学生がこちらをちらちら見ている。それに三芳くんも気付いているはず。
なのに、来て、頭を下げている。
「いずみと別れないで、いのりちゃんと付き合ったこと、本当に……」
「思ってもないこと言わないで?」
「思ってるよ、心から」
「気持ち悪い」
三芳くんが頭を上げる。少し怯えた表情をしていた。
彼女があたしにビンタしたのも、そんな顔をして見たのだろうか。
「どうでも良いの」