SEL FISH
どうでも良いの。
頭の中で反芻する。
「あたしはあたしのことが一番で、あたしが一番可愛くて。だから、別に三芳くんの罪悪感とかどうでも良いの」
絶句した顔。
言葉を言いかけて、止める。その視線の先を見た。
アキと堂本さんがこちらに歩いてきている。
あたしの鞄を持ってきてくれていた。
「話終わった?」
鞄を差し出しながらアキが聞く。
「うん。ありがと」
あたしの用はなくなったので、それを受け取った。アキが三芳くんを見る。
「もう良い?」
目を見開いた三芳くんが頷くだけ。
あたしは三芳くんに手を振った。