SEL FISH
三芳くんはもう呼び止めては来なかった。校門から少し離れた所で堂本さんが零す。
「……三芳くん、全然格好良くないんだけど。迎えに来て損した」
「え? なんで堂本さんが三芳くんのこと知ってるの?」
「神のお告げ」
なにそれ。
「それより、何食べに行くの?」
「アネゴがラーメンが良いって」
「堂本さん、ついにアネゴ公認したんだ。あたしもアネゴって呼ぼうかなあ」
「してないんだけど!?」
あたしとアキを睨む堂本さん。
ささっと二人で視線を逸らす。