SEL FISH
休日午後六時
最悪な場面に出くわした。
近くの商店街のスーパーまで餃子の皮を買って、帰る途中のこと。
通りかかった公園から不穏な空気が流れているのを感じた。近道だからこっちの道にしたのに、やはりやめておけば良かった。
息を殺しながら、横目でそれを見る。
真ん中に座りこむ一人と、それと対峙する一人と、囲む数人。
最近はここらへんのギャングも消えたと聞いたけれど、その残党か……
「な?」
「あ、堂本さん」
返答に、足が止まった。
何故かって、それがクラスメートの、私の友人の友人のような人だったから。