SEL FISH
これは、一体? 公園の外に沢山停まったバイクの数。
「もう良いや、ありがと。今度奢る」
「何言ってんだよ。久しぶりに連絡来て、ちょっと嬉しかったっつーの」
「名倉に嬉しがられてもな。じゃ、解散」
その言葉に、人が散っていく。
私は反射的に木の陰に隠れる位置に移動する。
誰一人として私には気づかず、バイクに乗って行ってしまう。
残されたのは、三芳くんと彼だけ。
三芳くんはピクリとも動かなかった。死んでしまったわけではない、と今の私には言いきれない。
「堂本さん、家どっち? 送ってくよ」
「三芳くんは?」
彼は肩を竦める。