SEL FISH
「また来てね、いつでも」
「お邪魔しました」
礼儀正しくアキが返す。堂本さんママはすっかりアキを気に入ったらしい。
そんな様子を呆れた顔をして見ている堂本さんの背中を叩いた。
「いった!」
「構ってちゃんの背中してたから、喝いれたげた」
「頼んでないし痛い」
「アキは優しいけど、愛されたら部屋の棚に本とかゲームソフトと一緒に並べられちゃうから気をつけてね」
はあ? と涙目で背中を擦っている。あれ、力加減を間違えちゃったかな。
アキの隣に並んで堂本さんママに挨拶をして、堂本さん宅を出た。