糸
私の後ろから扉が開く音が聞こえた。
「涼太……っもういいよ。
のぞ、今から言う話をよく聞いて。
私────」
え、なに。
よくわからないよ。
嘘だよね?
ねぇ、なんで晴人も涼太も深刻な顔してるの。
そんなわけないじゃない。
紗良が……
『私病気なの。もうすぐ死んじゃうんだ〜。
今まで黙っててごめん。』
昨日だって、
今日だって、
楽しそうに笑ってたじゃん。
晴人と付き合うことになったって嬉しそうに言ってたじゃん。
それなのに……どうしてっ⁉