キーンコーン



チャイムがなって気づいたら放課後。


いつもと違う帰り道。



「バイバイ、のぞ!涼太!」


「じゃーな!」


なんて笑顔で去る紗良と晴人。



じゃ、と言って手を振る涼太と、


ラブラブだな〜ってからかう私。



自分で自分を追い詰めて行く。



紗良たちが教室を出て涼太を待つ。



「なぁ、のぞはこれでいいわけ?」


……は?


「な、なにが。」


涼太サン、質問の意味がわからないんだけど。



「晴人のことだよ。


好きなんだろ?」



「いやいやいや!それはないよ〜」


なんて笑い飛ばすけど、涼太は真剣な顔。


つい目をそらしてしまうのは


なぜだか泣きたくなったから。



「紗良も晴人もバカだよなぁ……」


なんてつぶやく始末。



ほんと、涼太意味わかんないから。



「は〜、ていうか早くメロンパン食べに行きたいから準備してよ!」


なんて少し怒り気味に言うと、わかりましたよお嬢様。なんて言いながら笑う涼太がいた。


うん、いつも通り。


これがわたしたち。






< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop