君色の手紙
「それにしても颯斗、見ないうちにかっこよくなったよね~!仕事とか何やってるの?」


と絵里が切り出した。



「あぁ。今は不動産会社に勤めてるよ。」



……そっか。



私と違ってもう社会人なんだ。



私や絵里は大学に通ってて、まだ学生だ。



なんだか、あの時よりももっと遠くなっちゃったよね……。



私は颯斗に話かけられずにいた。




すると颯斗がこっちを見たっ!!


「………っ!」


「……………。」



颯斗……。



名前を言いたくても声が出ない!


さ、さっきみたいに軽く!


軽い感じで颯斗に声をかけないと!



そう意識し出したところだった!



「でもさぁ~、俺、てっきり颯斗は間宮一筋かと思ってたぜ!?」



なっ!!?



空気読めない男子が颯斗にストレートに私の名前を出したッ!!
< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop